第1章 いますぐ分かる投資信託
投資信託 5つのポイント
「投資信託」(とうししんたく)とは、僕たち一般の投資家が、運用のプロにお金の運用をまかせる金融商品のことです。「ファンド」とも呼ばれます。ここでは投資信託の特徴を紹介していきます。
儲かるか、損するかは分からない
投資信託は、銀行預金などと違って元本は保証されておらず、どれだけ儲かるのか、損するのかが事前に約束されていない金融商品です。僕たち投資家は「損するかもしれない」というリスクを背負い、一方で「将来の資産の成長」というリターンに賭けているのです。
プロが面倒なことはやってくれる
投資信託の最大の特徴が、プロに運用をまかせる、という点です。毎日の株価を見張ったり、有利な投資先を探したり、高度な計算によってリスクを調整したり、海外の株式に投資したり、といった面倒なことはすべてプロがやってくれます。僕たちは彼らに手数料を払ったうえで、そのプロがちゃんと運用してくれているかどうか、ときどき送られてくる報告書でチェックすればよいのです。
少額で始められる
ほとんどの投資信託は、証券会社や銀行の窓口で1万円から買うことができます。また、毎月少しずつ積み立てるサービスも提供されています。投資信託は、こうした少額の投資を数多くの投資家から集めて、数億円から数百億円、数千億円といった大きなお金としてまとめて運用するのです。ただし、集まるお金が少ない人気のない投資信託では、運用が途中で打ち切られる、ということもあります。
分散投資が簡単
1つの投資信託は、少なくとも数十銘柄、多いときには数百以上の銘柄に対して投資を行って運用されています。数万円といったわずかな金額で投資信託を購入すれば、簡単にこれらへの分散投資が実現するのです。
自分に合ったテーマがきっとある
それぞれの投資信託はテーマを持って運用されています。例えば「日本の株式市場全体に連動する投資信託」や「米国の優良な企業に投資する投資信託」「外国の安全な債券に投資する投資信託」、あるいは「中国の有望企業」「環境問題に強い企業」などなど、さまざまなテーマの投資信託が販売されています。この分野は成長しそうだ、と思えるテーマの投資信託が、きっと見つかるでしょう。
ここまでで5つのポイントを紹介してきました。最後にもう1つ、大事なポイントを紹介しておきましょう。
ただしプロに手数料を払う必要がある
投資信託はプロに運用をまかせているため、彼らに「信託報酬」と呼ばれる運用コストを支払う必要があります。また、運用コストだけでなく、投資信託を購入するときにも販売手数料を銀行や証券会社に支払うことが多くあります。投資信託の最大の欠点が、この信託報酬や販売手数料といったコストがかかることであり、このコストをいかに安く済ませるかは、投資家にとって大事なポイントになります。
第1章 いますぐ分かる投資信託
投資信託 5つのポイント
(最終更新 2008年8月 8日)
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