第1章 いますぐ分かる投資信託

ローリスクからハイリスクまである投資信託の種類

投資信託には、銀行の預金と同じくらい安全で手堅い商品から、海外の株式や石油に投資するような特殊なものまで、さまざまな商品があります。ここでは代表的な商品を紹介しましょう。

MRF、MMF

MRF(エムアールエフ)とMMF(エムエムエフ)は、どちらも安全で確実な運用を目指しており、その結果、利回りも銀行預金より多少有利な程度です。MRFとMMFの主な違いは、MRFが入金後いつでも1円から入出金可能な点で、MMFは入金後1カ月以内に引き出すと手数料を取られます。またMRFは元本割れしないよう、より安全に運用されているため、MMFのほうが利回りがわずかに有利になっています。「ダイワMRF」や「日興MMF」など、ほとんどの証券会社でMRFやMMFを扱っています。

国内債券に投資する投資信託

国や公共団体、企業などの債権に投資する投資信託です。「エス・ビー・日本債券ファンド(ベガ)」や「ジャパン・ソブリン・オープン」などがあります。現在は日本の金利が非常に低いことや、個人向け国債というライバル商品が登場したことなどにより、それほど人気のある分野ではないようです。

国内株式に投資する投資信託

トヨタやキヤノン、吉本興業やスカパーなどなど、国内の企業に投資する投資信託です。もっとも豊富な種類の投資信託が販売されている分野でしょう。「フィデリティ・日本優良株・ファンド」「ノムラ日本株戦略ファンド」など大型の投資信託や、「さわかみファンド」のような独立系運用会社の投資信託、「JF 中小型株オープン」のような中小型株を対象にしたものや、「ダイワ・エコ・ファンド」「東海3県ファンド」といったユニークなテーマの投資信託も販売されています。

外国債券に投資する投資信託

国内で販売されている投資信託でもっとも人気があるのがこの分野です。純資産額で5兆円を突破した国内最大の投資信託「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」や、それに次ぐ規模の「ピクテ・グローバル・インカム株式(毎月分配)」など、最近の投資信託ブームを牽引しています。

海外の株式に投資する投資信託

マイクロソフトやノキアやGEといった海外の株式は、個人では簡単に買えません。しかし、外国株式に投資する投資信託を購入することで、有望な外国の企業にまとめて投資することができます。「中央三井 外国株式インデックスファンド」や「日興BRICs株式ファンド」など、先進国から新興国までさまざまな国や企業の株式に投資する商品が揃っています。

そのほかの投資信託

株式投資と債券投資を独自の割合で組み合わせた「バランス型」や、不動産に投資する「REIT(不動産投資信託)」、石油や大豆といったモノに投資する「コモディティ型」、市場の値動きの数倍で変動するように設計された「ブル・ベア型」など、さまざまな仕掛けを持つ投資信託が存在しています。

第1章 いますぐ分かる投資信託
ローリスクからハイリスクまである投資信託の種類
(最終更新 2008年8月 9日)

次の記事≫ 本当に定期預金や株や外貨よりもいいの?

第7章 かしこいアセットアロケーションとポートフォリオを組みたい人のためのツール