第2章 投資信託を買う前に知っておきたいこと

投資信託の2大コスト、販売手数料と信託報酬

銀行の貯金や株式投資といったほ資産運用と比較して、投資信託の最も大きな欠点はコストが多めにかかること。そのコストの2大要因が販売手数料と信託報酬です。

販売手数料
販売手数料は、その名の通り投資信託を購入するときに発生する手数料です。例えば、販売手数料3%の投資信託を100万円分購入する際には、窓口で販売手数料の3%、つまり3万円が自動的に差し引かれて、実際の投資信託の購入に充てられるのは97万円分になります。

同じ投資信託を購入する場合でも、金融機関によって販売手数料が異なる場合がありますので、購入前にできるだけ販売手数料の安い金融機関を選ぶとよいでしょう。

また最近では「ノーロード」と呼ばれる、販売手数料を無料に設定した投資信託を販売している金融機関も増えてきました。

信託報酬
販売手数料が投資信託を購入するときに一度だけ発生するコストなのに対して、信託報酬は、投資信託を保有している期間ずっと発生し続けるコストです。投資信託を運用してもらう対価として、僕たち投資家が運用会社に報酬を支払っていると考えればよいでしょう。

信託報酬の大きさは信託報酬率で表されます。例えば、信託報酬率が2%の投資信託では、毎日少しずつ運用資産から信託報酬が差し引かれていき、その合計が1年で資産の2%になるようになっています。

ちなみに、信託報酬を受け取るのは運用会社だけでなく、その投資信託を販売した金融機関や、運用会社から委託を受けて株式や債券を管理している信託銀行にも配分されています。おおむね、信託報酬の半分が運用会社、4割程度が販売会社、残りが信託銀行といった配分が一般的なようです。

それ以外のコスト
投資信託に関するそれ以外のコストとして、信託財産留保や諸費用などがあります。

信託財産留保は、投資信託を解約するときにかかるコストです。また信託報酬以外に管理費や事務費といった名目で諸費用がかかることがあります。これらは通常はとても小さい額ですが、新しく設定されたばかりの投資信託や資産総額が小さい投資信託ではこの諸費用が比較的大きくなりがちですので、運用報告書などでチェックしておくとよいでしょう。

第2章 投資信託を買う前に知っておきたいこと
投資信託の2大コスト、販売手数料と信託報酬
(最終更新 2008年8月16日)

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