第3章 種類別、投資信託の特徴を知る

2~3年を目安に投資するなら債券型投資信託

2~3年を目安に投資したい、あまり値下がりしてほしくない、といった堅実な投資をするならば、債券に投資する投資信託(以下債券型投資信託)がお勧めです。債券は株式にくらべると値動きが小さく、株式を中心に投資する株式投資信託よりも一般にリスクが低いものになっているためです。

債券型投資信託には、国内の債券に投資するものと、海外の債券に投資するものに分かれます。

国内の債券に投資する投資信託

国内の債券に投資する投資信託の代表は、「誰でも最初はMMFからがお勧め」でも紹介したMMFとMRFです。この2つはいつでも解約できる短期の投資に向いていますが、6カ月や1年などもう少し長い期間投資してもいい、という場合には公社債投資信託のほうが有利な場合が多いでしょう。

公社債投資信託は、ほとんど広告や宣伝を見かけることのない地味な金融商品ですが、大手の証券会社ならだいたい扱っています。さらに長期間、5年や10年投資するつもりなら、投資信託よりも個人向け国債を検討したほうがいいかもしれません。

海外の債券に投資する投資信託

しかし、債券に投資する投資信託の中心は、なんといっても海外の債券を中心にした投資信託でしょう。グローバル・ソブリン・オープン(通称グロソブ)の大ヒットで、海外の債券に投資する投資信託は非常に人気のある分野になりました。

海外の債券に投資する投資信託には為替リスクがあるため、国内の債券に投資する投資信託よりもややリスクが大きくなります。

海外債券型の投資信託は大きく2つに分けられます。

1つは、グローバル・ソブリン・オープンに代表される、「ソブリン債」と呼ばれる海外の政府や政府機関などが発行する債券のなかでも、安全性の高い債券を中心に投資する投資信託。国内の公社債投信に近いものです。

もう1つは、「ハイイールド債」や「エマージング債」と呼ばれる、安全性は劣るけれども利回りの高い企業や発展途上国などの債券に投資する投資信託です。こちらは債券型投資信託の中でもさらにリスクの高いものです。

ただし、毎月分配型のグローバル・ソブリン・オープンが大ヒットしてしまったおかげで、海外債券型投資信託の分野では、多くの投資信託が毎月分配型になってしまいました。そのため、長期保有して資産を増やすのに適した、年一回の決算が設定されている金融商品をこの分野で見つけるのは難しくなっています。

第3章 種類別、投資信託の特徴を知る
2~3年を目安に投資するなら債券型投資信託
(最終更新 2008年8月17日)

次の記事≫ 5年以上保有する覚悟なら株式投資信託

第7章 かしこいアセットアロケーションとポートフォリオを組みたい人のためのツール