第1章 いますぐ分かる投資信託

投資信託を調べるための情報源

インターネットや雑誌や書籍など、投資信託の情報はさまざまなメディアで提供されています。

ここでは、そうした投資信託の情報源の主なものを紹介します。個人的におすすめする方法としては、インターネットでいろんな情報を見て感じをつかんだら、本を1~2冊読んでまとまった知識を身に付けるのがよいと思います。マネー系の雑誌は、そのときの流行している情報や、広告主の意向を汲んだ記事に偏りがちなので、参考程度に読むことをおすすめします。

手軽な情報源のインターネット

インターネットにはさまざまな情報があふれていますが、投資信託に関する情報としては、個別の投資信託の実績や信託報酬といった商品情報が特に充実しています。それらに関する情報源を3つ紹介しましょう。

(1)モーニングスター
投資信託の情報を探しに行くなら、まずはここ。手軽に投資信託を探したいのなら、「らくらくファンド検索」。資産運用の目的と、運用期間、目標金額などを入力していくと、お勧めの投資信託をリストアップしてくれます。「ファンド検索」では、レーティング、投資対象、手数料、償還までの期間などなど、細かい条件によって投資信託を絞り込んでいくことができます。

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(2)社団法人投資信託協会
実は投資信託情報の穴場的存在なのがこのサイト。「投信を調べる」の「取扱販売会社と手数料」のコーナーでは、商品分類別に投資信託の販売手数料と信託報酬などの情報がずらりと一覧形式で表示されます。コストの比較をする際にとても便利です。

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(3)DFC FUNDGUIDE
投資信託の1つ1つについて詳しい情報を集めるならこのサイト。運用方針、運用制限、決算日、信託報酬といった基本的な情報だけでなく、上位組み入れ銘柄、そして信託報酬や委託手数料といった費用の内訳まで分かります。大和ファンドコンサルティングが運用しており、国内の投資信託のほとんどをカバーしているようです。

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書籍はまとまった知識が得られる

実際に投資信託を購入する前に、書籍をなにか1冊ざっとでも目を通しておくことをお勧めします。書籍では、投資信託の仕組みやメリット、デメリット、種類や投資方法などがまとまって説明されているため、ネットや雑誌から得た断片的な知識だけで始めるよりも、失敗することがぐっと少なくなると思うからです。

(1)投資信託のしくみ(糸島孝俊 著)book_shikumi.png
書店には多くの書籍がありますが、1冊目の入門書を選ぶとしたらこの本をお勧めします。実際に投資信託の運用にたずさわっているファンドマネージャーが書いた本です。見開き2ページで1項目ずつの構成になっていて入門書として簡単に読めて、基本的なことをきちんと理解できます。著者ならではの投資信託業界の裏話も読めるところは、個人的にもとても気に入っています。

(2)投資信託にだまされるな!(竹川美奈子 著)book_damasare.png
どの投資信託を選ぼうかな、と思ったときにおすすめするのがこの本。話題にもなったタイトルは過激ですが、中身はとても実践的です。前半は「こんな投信は買ってはいけない」と、悪い投資信託の見分け方を、後半では「では、どんな投信を買えばいいのか」と、合理的な選び方を紹介しています。

(3)敗者のゲーム(チャールズ・エリス 著)book_haisya.png
「ウォール街のランダムウォーカー」と並んで個人投資家のバイブルともいえる本。「ウォール街~」はぶ厚い本なので、こちらの方が手軽に読めます。タイトルの由来は、「現在の株式市場に参加しているのはどれも優秀な専門家であり、そこでは誰かのミスによって勝負が決まる、"敗者のゲーム"が繰り広げられている」という著者の比喩から。プロではない普通の僕たちが資産運用で成功するために、インデックス投資と長期投資の方法が具体的かつ理論的に解説されています。読めば多分、資産運用に対する考え方が変わります。

(4)ウォール街jのランダムウォーカー(バートン・マルキール 著)book_wallgai.png
投資家が過去に繰り返してきた失敗を繰り返さず、そして理論的に成功する投資とはどういうものか、過去のデータと最新の投資理論を用いて分かりやすく解説してくれます。テクニカル分析やファンダメンタル分析といった専門家の方法が役に立たないことを明らかにしたうえで、その結果たどり着くもっとも合理的な結論がインデックス投資であるとしています。専門的な内容を分かりやすく伝えてくれる貴重な一冊。

雑誌はトレンドを知る程度に

book_arujan.png書店には多くのマネー雑誌が売られています。代表的なものを挙げると、日経マネー、あるじゃん、、Money Japan Zai、ダイヤモンドマネーなどがあります。

雑誌は、書籍にくらべると内容が手短にまとまっており、内容も一般向けに平易に書かれていることがほとんどのため、手軽な情報源として便利に使えます。

しかし一方で、毎月分配型の投資信託が流行すればその特集を、RIETが流行すればRIET中心の記事が多くなるといった、流行に左右される傾向があります。長期的な視野で、かつ幅広い情報の中から本当に良い情報がつねにピックアップされているわけではないため、いまのトレンドを参考にするつもりで参照するのがよいと思います。

第1章 いますぐ分かる投資信託
投資信託を調べるための情報源
(最終更新 2008年8月20日)

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